原位置試験

建物や土木構造物を造る場合、現場地盤耐久力の調査や地質調査は基礎調査としても大事です。土の性質を調べる試験は大きく分けて2通りあります。1つは実験室で行う土質試験、もう1つが調べようとする土の場所へさまざまな試験機械を持ち込んで現地で土を調べる方法です。現地で土を調べる方法を原位置試験またはサウンディングといいます。土を現地で採取して実験室で試験を行う場合、土の性質が変化しないように最新の注意をはらって土を実験室まで運びます。しかしどんなに注意しても土の性質は多少変化します。また、場所が少しでも違うと土の性質も変化していますので、実験室で広い地域の土の性質を正確に知ることは難しい面があります。このようなときに、原位置試験はとても有効な試験となります。原位置試験は、金属製の棒を地面に人力または機械で押し込んで土の強さを調べる方法です。試験機は、人力で運べるような軽量の試験機なので押し込む力は限られています。このため、原位置試験はとても軟い土の強さを調べるときに利用します。その他にもボーリングの機械で開けた孔(あな)に深い地層まで試験機をいれてたくさんの事柄を調べることもできます。
試験の項目 結果から得られる値 試験結果の利用
■ ポータブルコーン貫入試験 ポータブルコーン貫入試験 コーン指数 qc 地層断面図の作成
軟弱な粘性土の粘着力、支持力の判定
■ 地盤の平板載荷試験 地盤の平板載荷試験 極限支持力 許容支持力 構造物基礎部の地盤の地体力判別
■ 突砂法による土の密度試験 突砂法による土の密度試験 含水比 W 湿潤・乾燥密度 ρt・ρd 締固め度 Dc 飽和度  γ 空気間隙率 Va 路床・路盤等の、締固め度・含水比が測定され施工中の品質管理
■ RIによる土の密度試験 RIによる土の密度試験 含水比 W 湿潤・乾燥密度 ρt・ρd 締固め度 Dc 路床・路盤等の、締固め度・含水比が測定され施工中の品質管理
■ 砂置換法による土の密度試験 砂置換法による土の密度試験 含水比 W 湿潤・乾燥密度 ρt・ρd 締固め度 Dc 飽和度  γ 空気間隙率 Va 路床・路盤等の、締固め度・含水比が測定され施工中の品質管理
■ 道路の平板載荷試験 道路の平板載荷試験 地盤反力係数 Ks 道路・空港滑走路の舗装設計、品質管理
■ スウェーデン式サウンディング試験 スウェーデン式サウンディング試験 土の静的貫入抵抗 Nsw 土の硬軟や締まりの程度を判定する N値の判定(標準貫入試験の補助法として有効) 小規模構造物の支持力特性の調査方法に用いる
■ 現場CBR試験 現場CBR試験 CBR値 品質及び施工管理に用いる。
■ 現場透水試験(定水位) 現場透水試験(定水位) 透水係数 K
■ 現場透水試験(リオットサイフォン(変水位)) 現場透水試験(リオットサイフォン(変水位)) 透水係数 K
■ 長谷川式簡易透水試験 長谷川式簡易透水試験 透水係数 K 植栽基盤としての判定
■ 山中式土壌硬度試験 山中式土壌硬度試験
■ 岩盤のシュミット式ハンマー試験 岩盤等級と岩盤の物性値との関係性 岩盤を軟岩から硬岩までを判定し、岩盤の力学特性の簡易的な推定に用いられる。
■ 簡易弾性波速度測定 トンネル、試掘横杭、道路、土地造成などにおけるリッパビリティー(掘削難易性)の判定